パリところどころ Bourse de Commerce - Pinault Collection2022.10.12

今秋(2022年10月)発売の柚木沙弥郎さん第三弾リトグラフの制作のため5月のパリを訪れた際に、セーヌ川右岸の新しい現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」を初訪問したのでご紹介します。

現代アートコレクターのフランソワ・ピノー氏が蒐集した1万点に及ぶコレクションから選りすぐりの作品が見られる新名所。古い商品取引所を安藤忠雄氏がリノベーションし、古さと新しさの融合した空間はとても美しく、訪れる価値のあるものです。ファサードに旗めくシルヴァーフラッグや建物に据え付けられた家具・照明什器は、ブルレック兄弟が手がけているそう。


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天窓や壁画の美しい中央のホールでは、LAを拠点とするアメリカ合衆国の彫刻家、チャールズ・レイの手がける奇妙な石膏像やオブジェの展示。広い空間にダイナミックな作品が映えていました。


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上階のGalerie 2では、個人的に今回最も観たかったフェリックス・ゴンザレス・トーレスとロニ・ホーンによる展示。トーレスの有名な照明とホーンの透き通るようなオブジェの組み合わせが、静謐な空間を一層際立たせている。また、血を模したカーテンや紙を積み上げたインスタレーションも、実にトーレスらしい面白さ。


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出口に近いミュージアムショップ前には、イギリスのコンセプチュアル・アーティスト、ライアン・ガンダー作のネズミのインスタレーション。はずかしそうに喋って動くネズミに子ども達はかぶりつきでした。

他にもいくつかの展示があり、建物からコレクションまで、とても充実した美術館は、パリに行ったら必見です。morimo



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