JOURNAL Archive | Oct. 2022

「柚木沙弥郎の100年 創造の軌跡展」に行ってきた2022.10.28

先日、女子美アートミュージアムで開催されていた「柚木沙弥郎の100年 創造の軌跡展」へ行ってきました。(↑こちらは図録。会場内は撮影できなかったのですが、撮影できるところも、撮ることを忘れて見入ってしまった・・・ということで、わずかな写真&後日撮影写真でお届けします。)


この秋、100歳を迎えた柚木さん。
イデーもこのアニバーサリーイヤーを祝うべく、新作リトグラフやクリスマス限定アイテムなどの企画が目白押しです。


さて。女子美は、柚木さんが長きにわたり教鞭をとられてきた学校です。そして展覧会最終日の10月17日は、柚木さんのお誕生日というタイミング。
私はその前日(惜しい)にうかがいましたが、たくさんの人が訪れ、柚木さんの作品や人柄に魅了されていることをとても感じる展覧会でした。


会場は柚木さんの作品とともに、色やパターンが細かく記された染色ノートやスケッチ、そして女子美の学生たちと交わした「制作ノート」などが展示されていました。そのなかでも、私が一番心に響いたのは、その「制作ノート」で交わされる学生たちの想いと柚木さんの言葉でした。

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「制作ノート」というのは学生と教員のコミュニケーションツールのようなもので、学生は制作工程で起きたことをすべて記し、教員は回答やアドバイスをするといった内容です。

その一部を見てみると、学生たちが柚木さんから教わった技術や想いに真摯に向き合い制作をする姿がありありと目に浮かんできます。そして、柚木さんが丁寧に惜しみなく応えている様子にも心をうたれました。個性や発想を見逃さず、反省や失敗から学ぶことの大切さを教えてくれています。会場にあった卒業生のメッセージに「柚木さんはどんなことも認めてくれました」といったような言葉がありました。

会場には現役の学生たちが制作をする様子の映像も展示されており、いまも柚木さんや卒業生たちの想いや技術を受け継いでいる姿を嬉しく思いました。
(この頃、若者が頑張る姿に弱いので泣けた)


そして、イデーと女子美で共同制作した広幅注染の展示も。
柚木さんが女子美で生み出した広幅注染。かつて教材でもあった模様と布を吟味して選び製品化しました。
イデー東京とオンラインショップでも販売していますのでチェック。

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最後に、会場で購入したポストカード。
さっそく部屋に飾ってみました。

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それでは。
agnes

ハンドパペットワークショップ体験記2022.10.21

イデーショップ自由が丘店で10/3(月)まで開催していたIDÉE GARAGE POP UP STORE "BRICOLAGE"で毎週末に開催されていたワークショップ。今回はそのワークショップ体験記をご紹介します。


私が参加したのは、Acchi Cocchi Bacchiのハンドパペットづくりワークショップ。Acchi Cocchi Bacchiは、バッチ作家の高橋彩子さんが2010年から続けているプロジェクト。高橋さんの元へやってきた世界の民族衣装や装飾品は、魔法のような彼女の手によって「バッチ」という新たな命を授かります。
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普段はバッチをつくっている高橋さんですが、今回はハンドパペットづくりのワークショップも開催していただきました。

saeko_takahashi-1021_2.jpg ワークショップ会場は世界の民族衣装や装飾品パーツが山盛り! この中から自由に組み合わせて世界に一つだけのパーソナルハンドパペットをつくります。

saeko_takahashi-1021_3.jpg こちらのパペットの頭になる部分。高橋さんが張り子でつくってきてくれたものです。

saeko_takahashi-1021_8.jpg 次に布をこの型にそってカットし、お洋服の部分をつくり、首の部分にボンドで接着します。この型がすでにかわいい。。。厚紙に民族衣装のパーツ写真がコラージュされています。

saeko_takahashi-1021_4_2.jpg 針山も民族衣装などのパーツでつくられていて見惚れてしまいます。

さて、ここから出来上がるまで、あーでもないこーでもないと悩んで縫って貼っての1時間半。過程をお見せしようと思ったのですが、すみません、集中しすぎて写真を撮り忘れました。。。
こうやってクリエイティブな手仕事をしていると、自分のことだけに集中できて気持ちがパッと晴れる気がします。 高橋さん曰く、コツは気楽に楽しむ気持ちでいること、人のを羨まないこと。確かに、それって日常でも大切ですよね。

saeko_takahashi-1021_5.jpg さて、出来上がったら記念撮影。みなさんそれぞれ自分の子の身だしなみを整えて並べている様子が、すでに愛着がうまれていてほっこりします。

  • まえ

    恥ずかしながら、こちらが私のパペットです。

  • うしろ

高橋さん、楽しいワークショップありがとうございました!
皆さんもまた機会があったら参加してみてください。それでは。summer




Acchi Cocchi Bacchi 高橋彩子
http://www.saekotakahashi.com/
instagram @bacchiworks_saeko


パリところどころ Bourse de Commerce - Pinault Collection2022.10.12

今秋(2022年10月)発売の柚木沙弥郎さん第三弾リトグラフの制作のため5月のパリを訪れた際に、セーヌ川右岸の新しい現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」を初訪問したのでご紹介します。

現代アートコレクターのフランソワ・ピノー氏が蒐集した1万点に及ぶコレクションから選りすぐりの作品が見られる新名所。古い商品取引所を安藤忠雄氏がリノベーションし、古さと新しさの融合した空間はとても美しく、訪れる価値のあるものです。ファサードに旗めくシルヴァーフラッグや建物に据え付けられた家具・照明什器は、ブルレック兄弟が手がけているそう。


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天窓や壁画の美しい中央のホールでは、LAを拠点とするアメリカ合衆国の彫刻家、チャールズ・レイの手がける奇妙な石膏像やオブジェの展示。広い空間にダイナミックな作品が映えていました。


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上階のGalerie 2では、個人的に今回最も観たかったフェリックス・ゴンザレス・トーレスとロニ・ホーンによる展示。トーレスの有名な照明とホーンの透き通るようなオブジェの組み合わせが、静謐な空間を一層際立たせている。また、血を模したカーテンや紙を積み上げたインスタレーションも、実にトーレスらしい面白さ。


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出口に近いミュージアムショップ前には、イギリスのコンセプチュアル・アーティスト、ライアン・ガンダー作のネズミのインスタレーション。はずかしそうに喋って動くネズミに子ども達はかぶりつきでした。

他にもいくつかの展示があり、建物からコレクションまで、とても充実した美術館は、パリに行ったら必見です。morimo



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